• 巨大な白亜の総大理石造りの廟、タージマハールです。妻の死を悼んで20年の歳月をかけてつくられたという壮大な建築物です。1983年にタージマハールはユネスコの世界遺産に指定されています。建築は1632年に始まり、完成は1654年で20年以上の歳月が費やされました。

• デリーの南200km、アグラにあります。高速道路が走っていますが、ラクダが運ぶ運送車も一緒ですので、片道２時間30分から３時間は掛かります。道路上で相手の車が正面から向かってくるのには正直驚きます。衝突寸前でお互いに回避します。こういう状況が到着までに何回も続きます。くわばら、くわばら。

• ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーン（Shah Jehahn 世界の王の意味）は最愛のお妃ムムターズ・マハール(Mumtaz Mahal)が亡くなったことを悼んで、廟を建てました。タージマハールはムムターズ・マハールが変化したもので「宮廷の冠」をも意味したそうです。

• 死者は49日で生まれ変わるという輪廻の思想が支配していたインドは元々はお墓は無かったそうです。イスラム文化が入って墓を造るようになりました。

• 実はこれらの写真はデジカメ以前のものです。押すだけカメラのネガをフィルムスキャナーで読み込んだものです。色が極端に青くかぶっていたり、暗くなっていたり、分解能もスッキリしなくて悲惨な状況でした。アナログ写真の現実はこんなもので、写真屋さんご苦労様っていうことなんですね。デジタル写真ではPhotoshop様々です。3888x2692の解像度でどうしようもないのですから....。今回は二度とタージ・マハールに来ることもないでしょうからデジカメ写真としては違反ですが載せました。

• 世界遺産インド編報告書と神谷武夫とインドの建築を参考にしました。英語ですが「The Majestic Taj Mahal」が形状や歴史が詳しく書いてあります。また「タージマハールの世界」では、簡単な音声ガイドがあり、3ドル払えば360°パノラマで詳細に見られるようです。無料の部分でも雰囲気は良く分かります。

水面に大理石のタージマハールが反射する庭園が美しい。	糸杉の建つ四方形の庭園は四分庭園と言う形式。	一辺100m、高さ7mの大基盤の上に建っています。	四隅には高さ42mのイスラム尖塔ミナレットが建ちます。
中央には高さ65mのドーム屋根に、飾りを加えて高さ最大75m	白大理石の壁面に、アラベスク模様が刻まれる。	赤砂岩の建物は白いタージマハールを引立てる役目もします	尖状アーチが多用され縁取りはコーラン文字を図案化して刻む
雄大な赤砂岩の南門です。アーチの廻りにコーランが刻まれる	直ぐ後に、ヤムナ川を控えています。	この東側の赤砂岩の建物は迎賓館、西側はモスクとされた。	伝説の王宮が遠くに佇むかのようです。
ムガル帝国アグラ城。1958年首都をデリーからアグラに遷都	王宮と城塞両機能を持つ 1564〜1574年 皇帝アクバル建設	皇帝謁見の間、ディワニ・アーム。大理石のアーチが連なる。	最後は幽閉され、タージマハールを見ながら息を引き取った

1526 バーブルによりムガル帝国創始。
1558 首都をデリーからアグラへ遷都。
1564 アグラ城建設（〜1574年）。
1600 イギリス、カルカッタに東インド会社設立。
1628 シャー・ジャハーン（1592〜1666年）即位。
1631 ムムターズ・マハル（1595〜1631年）死亡。
1632 タージ・マハル着工（〜1653年完成）。
1648 デリーへ再び遷都。
1858 最後の皇帝バハドゥール・シャーがイギリスにより退位させられ帝国滅亡。

2003/12/01