• 定陵は、明の二年分の国家予算と六年の歳月を費やして、第13代皇帝の万歴帝が自分の生存中に造ったというから驚きです。山一帯が明の皇帝の陵となっています。定陵の中には中国語と英語で書かれた説明版が置かれています。参考までに日本語訳を下に載せておきます。固有名詞は中国語を見て日本語に直しています。

• 定陵
  定陵は、天寿山のすぐ東に位置しており、第13代明王朝朱翔鈞皇帝と2人の后のための陵です。朱翔鈞(1563--1620)は、10歳のときに王位に着き、48年間支配し、58歳で亡くなっています。 彼の治世タイトルは"万暦"帝で、死後に授与される称号は"宗顕"帝です。定陵の建設は、彼の治世の12年目の1584年11月に始まって、6年後の1590年6月に完成しました。陵の面積はは18万平方メートルあります。定陵の地下宮殿は掘削された13の明王朝墓うちの最初のものです。試発掘は、中国州協議会の承認を得て1956年5月に始まり、早期に成功しました。地下宮殿は、前、中央、後、右、左の5つのホールで構成されています。石のかんぬきが外され、1,195�uでアーチのある宮殿ホールが発見されました。3,000点以上の文化遺産が発掘されました。定陵博物館は1959年に建設され、公開されました。
• 稜恩殿跡
  稜恩殿は1585年に建設され、祈りの儀式と、故人の書き物や遺品の保管に使用されました。 建設時には、稜恩殿は幅７間(間は古代中国の長さの基準)、奥行き5間でした。二重ひさし屋根で、立派なものでした。明王朝の終わりと清王朝の始めの戦争で破壊されました。清王朝は1785〜1787年に再建し、改装をしました。その結果、幅5間、奥行き３間になり、少し狭くなりました。
• 賢星門
  賢星門と呼ばれる。牌楼には様々な形式があります。柱は牌楼より大きくなっています。古代の建築物では、天宮にある天門のようであり、また王朝の高貴なドアをも示しています。
• 明楼（魂の塔）
  1587年建設の明楼は、陵の象徴的な建築物です。塔はカラフルに塗られた石彫で作られています。木造建造物の様に見えます。神聖な心柱は塔の中に建てられました。心柱の上部には、偉大な明を意味する2文字「大明」が彫られています。その下には「神宗顕皇帝の陵」と彫られています。
• トンネル門と煉瓦トンネル
  トンネル門は明楼右側の宝城壁の下にありました。宝城外壁の一部が崩れたことから発見されました。発掘調査で発見された最初の遺跡でした。発見に基づいて、考古学者は壁の中の対応する位置を掘り、最初の遺跡を見つけました。トンネル門と3文字刻まれた石と煉瓦トンネルを見つけました。宝城壁で囲む2つのより深い溝が後で掘られました。その後発見されているのは、石碑で、そこから菱形壁までの距離と深さが１６文字で記されています。斑紋石で作られている石のトンネルも発見され、最終的に、菱形壁が石のトンネルの終点で発見されました。
• 左の部屋
  中央部屋の左にあります。左と右の室が対称に接続され、両方、そっくりなもの。
  地下宮殿が掘削されたとき、部屋は空でした。
• 後部部屋
  後部部屋は地下宮殿のメインの部屋です。部屋の中には、皇帝と二人の后の棺が置かれた、棺を置く土台がありました。皇帝の棺が中央にあり、后の棺がその両脇にありました。翡翠は棺の間で見つけられました。皇帝と后の埋葬品は堅木の一種であるnanmuで造られた26の箱に記録されています。地下宮殿が発見されたときには、棺と埋葬品の一部は腐食していました。現在展示されている棺と埋葬品収納箱はオリジナルのもののコピーです。
• 前室の石門
  前室の石門は中央、そして、後部部屋の石門と全く同じに見えます。
  門の枠は白石で彫られました。門のバネ板が巧みに設計されており、扉の石板は、ヒンジ側に厚く(40cm)、反対側に、薄く(20cm)なっています。門軸の底部は半分球の形状になっています。軸の荷重はこのようにして軽減されており、軸底部の摩擦が軽減されているので、楽に開けることが出来ます。
• 菱形壁
  この壁は、石のトンネルの終点にあり、地下宮殿の中心線に向かう開口部になります。皇帝と后の棺がこの開口部を通して運ばれた後で、埋葬の終わりにはレンガで封鎖されたものと思われます。そのあとで、トンネルは埋められました。発掘時には、数百年間の土塁の圧力で、壁の始まりのレンガは、少し崩れ落ちていました。ここから、考古学者は、壁を解体して、地下宮殿に通じるトンネルに入りました。
• 竜と不死鳥の門（明の13陵の一つ・長陵への参道となる神路の門）
  昔、このゲートは君主にふさわしい高貴さの象徴と見なしていました。人々は、いつも、「天国の門」と呼んでいました。前皇宮や、寺、崇拝される霊廟などと殆ど同様の高度な建築物と言うことが分かっています。

入り口の亀とポールのる華表。	広い通路が特徴。	柱跡のみ残る稜恩殿跡。	皇帝の路には石彫がある。
1587年建立の象徴的な明楼。	壁から松が生えている。	皇帝の棺が運ばれたトンネル門	左の部屋。右の部屋と同構造
竜のベンチは万暦帝玉座。	メインの後室の皇帝と后の棺	右の部屋。蛇のベンチは后玉座	香炉等。右左室で構成同じ。
床から天井まで全て大理石で造られている。地下宮殿は深さ20mの地下にある。		前室の石門。	棺を入れた後にレンガで封。壁を解体し地下宮殿に入った。
ルートでは出口だが、こちらが地下宮殿の入り口となる。	明楼に向かって戻り始める。	明楼の後ろ側。	明楼はカラフルに塗られた石彫。一見木造に見える。
明楼から地下宮殿の入り口　　(現在は出口)への道。	上部に偉大な明の「大明」。下には「神宗顕皇帝の陵」と刻印	明楼の上から、入り口の方を見る。一帯がこんもりとした森。	石五供と呼ばれる、香炉１、蝋燭立て２個、壺２つがある。
路は明楼へと真っ直ぐに続く。	天宮の天門を意味する賢星門。	天国の門と呼ばれた神路入口	皇帝のみ歩いたという神路。
似ているが神路の左と右それぞれに建つ。		神路は13陵の一つ長陵への参道	素朴な神への路が続く。

2006/05/01