自然に感動するカナディアン・ロツキーの国立公園
力ナディアンロッキーの国立公園は、壮大な自然の景観や野生動物の生活環境を保護し、人問の文化や歴史などを保存し、さらにカナダ国内だけでなく、世界中から訪れる人々が身近に自然を体験できる場所を提供するために、カナダの国立公園制度によって保護されています。ここには、冒険のための場所もあり、また静かに自己と語りあうことができる場所もあり、人間の魂を休めることができる特別な場所なのです。
ジャスパー国立公園は、カナダの中でも特別に位置づけられています。公園内には自然そのものの渓谷、険しい峰、清らかな水が輝く湖がいたるところにあり、そしてコロンビア大氷原のような雄大な見どころがあります。カナディアン・ロッキーにある4つの国立公園と、隣接するブリティッシュ・コロンビア州の州立公園の風景は世界的にもまれな美しさで、カナディアン・ロッキー山脈公園群はユネスコ世界遺産に指定されました。このことは、これらの公園群で、広大な野生動物のための生活環境と、地球規模で重要な意味を持つ大自然の姿が保護されていることを示しています。
ブリュースターは長い問、この国立公園とともに歩んできました。当社の創立者、ジムとビルのブリュースター兄弟は、バンフ国立公園がまだ誕生から10年にもなっていなかった1892年から、バンフを訪れる人々を近郊の美しい名所へ案内してきました。国立公園が国際的に有名になり、その評判が高まると、ブリュースター兄弟は、この素晴らしい、しかしすぐに損なわれてしまう可能性のある自然環境を守ることを、強く誓ったのでした。
自然を敬い、旅行者が国立公園内の風景や生態、環境などを理解するための手助けとなることがブリュースターの使命である、という伝統は、現在もドライバーガイドに受け継がれています。アサバス力氷河のスノーコーチツアーでも、西部カナダを走るバズツアーでも、ドライバーから大自然と人間の歴史的な魅力あふれる解説を聞くことができます。ですから、ツアーが終わったとき、ただ写真と想い出だけが残るツアーでないことを実感していただけるでしょう。また、ブリュースターは、国立公園を管理するパークス・カナダのパートナーとしても、このすばらしい場所を訪れる人々がカナダの国立公園についての正しい理解と評価ができるように努力しています。
野生動物とアイスフィールド・パークウェイ、自然を楽しむ運転のためのヒント
氷河から溶けた水に含まれた沈殿物が氷河の先端で形成する、流出河流堆積物
コロンビア大氷原をはじめとするアイスフィールド・パークウエイの周囲はすべて、植物や動物たちの生活の場で、私たち人間が勝手に入り込んでいることを忘れないでください。パークウエイのおかげで私たちは野生の動物たちの姿を見ることができるのですが、このパークウエイのために、ジャスパー国立公園内だけでも、毎年約130頭もの大型の野生動物が交通事故で命を失っています。
ブリュースターとパークス・力才ダは共同で、旅行者が、このすばらしい場所に住む野生動物を正しく理解し、認識を深め、尊重することができるよう、さまざまな活動を続けています。野生の動物と、彼らを見るために訪れた人間との両方が健全で、安全であるために、アィスフィ−ルド・パークウェイを運転するときは、以下の点に注意し、ルールを守って安全に走ってくださし。
●アィスフィールド・パークウエイは観光道路で、急いで移動するための道路ではありません。制限速度を守り、余裕を持って走りましょう。夏期は交通量が増え、混雑することもありますが、周囲はすべて美しい風景に囲まれているのですから、ゆったりとしたドライブを楽しみましよう。
●野生の動物や、時には入が道路を横断することがあります。それも予想もしないような場所で。特に動物は突然、車の前に飛び出してきます。それが夜明けや薄暮時、夜間であればさらに見えにくくなりますので、常に注意して運転してください。また、野生動物が道路上や道路の近くに現れたときは、車が道路上で停車していますので、急停車できるよう速度を落とすことが必要です。
●八イウエイを走行中に野生動物を発見したときや、風景の写真を撮りたくなったとき、あるいは休憩をしたくなったときは、充分に路肩に車を寄せて、走行車線を妨害しないように注意してください。
●野生動物を見つけて停車しても、車から出ないでください。車から出て野生動物に近寄るようなことは絶対にしないでください。特に熊は危険です。停車する際は必ず路肩に、順番に。前の車が出発したら、その位置まで進んでよく見ることができます。停車の際は走行車線を妨害しないことをお忘れなく。
●かわいい動物には、ピーナッツやポップコーン、パンなどをあげたくなりますが、これらの人工の食物は、野生動物にとっては有害でしかありません。さらに、人問から餌をもらうことに慣れてしまった野生の動物たちは、人問や道路、車を怖がらなくなり、食物に関して攻撃的になってしまいます。そうなった動物たちは人間にとって危険なので、強制的に遠くへ移されるか、殺されるしかありません。野生の動物たちに感動すなら、絶対に餌を与えないでください。
●野生の動物たちには絶対に近寄らないでください。おとなしく、人間に慣れているように見えても、突然噛みついたり、蹴ったり、体当たりしてきたりと、その行動は予測できません。特に雌の動物は、子供を守ろうとするために危険です。野生の動物との間には、安全な距離を保ちましょう。鹿などの大型到物なら30m、熊の場合は100m以上に近づかないでください。万一動物が寄ってきた場合は、ゆっくりと離れましょう。
野生動物だけでなく、植物など国立公園にあるものすべてが、このすばらしさを形成する重要な要素です。種を取ったり、木や岩を傷つけるなど、周囲の自然環境を損ねる行為は法律違反です。
バンフ、ジャスパーの国立公園の大自然の美しさは感動的で、両公園を貫くアイスフィールド・パークウェイの周囲の景観より美しい場所はどこにもないでしょう。末長くこの自然のままの壮大な景観や野生動物を、多くの人々が楽しめるために、この国立公園のルールをぜひ守ってくださるようお願いします。
氷原と氷河
力ナダは過去、4回にわたる大きな氷河時代を経てきました。そしてアサバス力氷河とコロンビア大氷原は、かつて大地を削り、今日見られるロッキー山脈を彫り上げた巨大な氷床の一部でした。一時期のアサバス力氷河は、北は現在のジャスパーの街の位置まで流れ、さらに他の氷河と合流して東は大草原地帯、南はカルガリーの先にまで達していました。この数百キロにも及ぶ距離を流れるのに、数世紀もの時間を要しました。最後の氷河時代が終わったのはわずか1万年前ですが、それ以降、北アメリカのほとんどの氷河は、冬に蓄積される雪より夏に溶ける量の方が多いため、年々後退を続けています。
高い峰や高原に降った雪が、夏の間わずかづつ溶けながらも年々蓄積されていくと、氷原が形成されます。この雪が30メートルほどの厚さになると、下層部の雪は圧縮されて氷になり、上部の積雪が増えて氷がさらに厚くなると、ついには谷からあふれて氷が流れ始めます。これが氷河の誕生です。コロンビア大氷原の大部分はスノーコーチのコースからは見ることができませんが、周囲の山々をケーキの粉砂糖のように覆った、その末端を見ることができます。
スノーコーチで訪れるのは、コロンビア大氷原から流れ出る多くの氷河のひとつ、アサバス力氷河の表面です。静かに流れるアサバス力氷河のスピードはあまりにも遅いため、その動きを目で確かめることはできません、氷河を形成する氷の流れは川に似ており、部分により流れる速度が異なります。また、強い圧力がかかった氷河の底の氷はブラスチック状になっており、起伏のある岩の上でも割れずに流れることができます。上層部に行くに従って割れやすくなり、氷河上部にある3つの大きな氷瀑(氷河の崩落部)のような圧力が加えられる部分ではひび割れし、クレバスができます。
氷河が流れ降りる際、その側面は周囲の崖下をえぐり取ってゆき、激しい温度の変動でもろくなった山肌の岩が、氷河の上に落ちていきます。その間、底の氷はその下にある岩を削っていきます。これらの大量の岩や土砂が氷河によって運ばれ、氷河の側面や末端部に堆積したものがモレーンです。スノーコーチが最初に降りる砕けた岩でできた長いナイフ状の峰はラテラルモレーン(側堆石=氷河の側面に堆積した岩)と呼ばれるもので、氷河の末端に残されたものはターミナルモレーン(末端堆石)と呼ばれます。谷の中で氷河が流れを停止した場所では、大きなターミナルモレーンが確認できます。
さまざまな影響
氷河に運ばれた大量の岩や土砂が堆積して形成されたラテラルモレーン(側堆石)
コロンビア大氷原とその氷河は、何万人もの人々がさまざまな用途に利用できる、清らかな水の巨大な貯蔵庫です。それは、この地方の夏の気候を和らげると同時に、冬の厳しさをより過酷なものとし、周辺の動植物の生活に大きな影響を与えてし、ます。また、科学者は氷の中に眠っている過去の大気や気象の記録が得られますし、さらに私たちは、この北米大陸の表面が形成された何万年もの昔の、壮大な姿を垣間見ることができるのです。
人類が消費する化石燃料の増加、地球上のあちこちで見られる森林破壊、そしてフロンをはじめとする工場から吐き出される大気汚染物質などが、一般に温室効果と呼ばれている世界的な規模での温暖化現象を引き起こしていますが、この現象は、氷河の後退と氷原の規模の縮小に拍車をかけています。約150年前を境にし、それ以降に降った雪は年々増加する大気中の公害物質を含んでおり、それ以前に降った雪が固まった氷から溶けた水は、最も純度の高い自然の水として知られています。
私どもブリュースターのコロンビア大氷原スノーコーチツアーがご案内するアサバス力氷河への旅を、充分にお楽しみいただけましたでしょうか。
ブリュースターは、アイスフィールド・パークウェイの建設工事が始まった1939年以前から、世界中から訪れる方々を、雄大な自然史であるコロンビア大氷原へご案内できることを誇りとしてきました。そしてそれは、今後も変わることはありません。ここでは、カナダ各地から集まった熱意と知識にあふれる65名のスタッフが、シャトルバスとアサバス力氷河の上を走るために設計されたスノーコーチとともに、運営を担当しております。熱心なスタッフと充実した設備による、生きた氷河に実際に触れるという貴重な体験を通して、氷河がこの大陸の大部分を形作った過程を、より深くご理解いただけることでしょう。
ブリュースターはさらに、バンフ、レイクルイーズ、ジャスパー、カルガリーから出発する一日観光バスツアーもご用意いたしました。カナダ西部に精通したブリュースターならではのバスツアーで、安全で快適なカナディアンロッキーの旅をお楽しみください、
データバンク
アサバス力氷河の氷瀑と氷の壁
コロンビア大氷原
種類:氷原
総面積: 325ku、ロッキー山脈中で最大の氷域
最高標高点: マウント・コロンビア 3,745m
平均標高: 3,000m
最深度(推測): 365m
年間平均降雪量: 7m
流出先: 太平洋・大西洋・北極海
アサパス力氷河
種類: 渓谷流出型氷河
総面積: 6ku
全長: 6km
氷の厚さ: 90〜300m
表面の流動速度氷瀑: 年間125m
転回地点: 年間25m
先端: 年間15m
標高: 氷瀑: 2,700m
スノーコーチ折り返し地点: 2,210m
先端: 1,965m
さらに詳しい情報は、カナダ環境省公園インフォメーションセンターまでお問い合わせください。
2007/04/01