ラ・シタデル（城砦）へようこそ城砦小史
・ディナンの名が歴史に登場するのは紀元前800年頃のことです。城砦はまだ存在していませんでした。この土地に最初の城砦が築かれたのは1040年前後、初代の橋がかけられたのは1080年前後のことです。当時のディナンはごく小規模な城砦都市で、銅細工を主な産業としていました。
・その後、銅細工産業はますます盛んになりますが、1466年に、町も城も豪胆公シャルルによって焼き払われてしまいます。この時、800人いた銅細工職人は、二人づつ縄をかけられてミューズ川に投げ落とされたということです。
・1523年に城が再建されると、町も再びにぎわうようになります。この時代(正確には1577年)に、ディナン名物となっている408段の石段が建設されます。
・この後、町は、フランス王ルイ14世(1675-1698)治下のフランスに占領され、城砦は大規模な改装工事を受けることになります。工事の指揮を取ったのは築城家ヴォーバン元帥です。この時代は、また、マントノン夫人(ルイ14世妃)がディナンを訪問した時期でもあります。
・1818年から1821年にかけて、城は再び破壊されますが、オランダ人の手により再建され、現存する城砦となります。
・ベルギー独立戦争(1830)が起こると、城はベルギー市民軍の手に落ち、引き続き、懲罰兵部隊がやってきます。
・1868年に、城砦は軍事的使命から開放されることになります。ちょうど、ミューズ川渓谷に観光の時代が訪れようとしていた時です。
・1878年に、城砦は地方公共団体に売却されますが、第1次大戦、第2次大戦時には、また、ここで、むごい戦闘場面が繰り広げられることになります。
・現在、ディナンの城砦は、1世紀以上に渡る歴史散歩にいざなう歴史博物館になっています。
案内図を参考に、時代をさかのぼる城砦探検にお出かけください。有意義で楽しい時をお過ごしいただけれぱ幸いです。
見学案内図
見学所要時間は約45分です。ディナン城砦の中枢部にようこそいらっしゃいました。このリーフフレットは、要塞見学のガイドマップとしてご使用いただけるように特別に用意したものです。他のお客様と衝突しないよう、番号と矢印が示す順路にしたがってご見学ください。ディナン史上の大事件についての説明をご希望の方は、経路途上に設けた解説パネルをご参照ください。準備が整ったら、見学を開始しましょう。
石畳の中央中庭
(1) 今、いらっしゃるところが要塞中央の中庭です.陳列してある大砲は1820年から1830年にかけて鋳造されたものです。
大歩廊
(2) 大歩廊の方へ進んでください。大歩廊は石畳の中庭に通じる通路の中ぼどにあります。長さ150メートル、壁の厚さは2メートルあります。左右の壁面に銃眼がありますが、これは、町(右側の銃眼)と城砦の正門正面にあった跳ね橋(現在は塗りこめられている左側の銃眼)を防護するためのものでした。
(3) 右手の一角は火薬庫として使われていました。必要な時に、すぐに弾薬が供給できるようにという配慮からこの場所に置かれていました。
時間旅行にいざなう展示スペ一ス大歩廊の先端まで来ました.ここから、時をさかのぽるタイプトリップにお出かけください。3つの展示スペースがディナン城砦を揺るがせた大事件の場面を再現しています。
(4) 豪胆公と呼ばれたブルゴーニュ公シャルルによる王466年の略奪
(5) 1675年から、1698年のフランス施政下に行なわれたヴォーバン元帥による改築
(6) 1914年の戦闘
牢獄
(7) 大歩廊の入り口から出て、右手に進み、牢獄にお入りください。囚人房、看守部屋、ギロチンもある拷問部屋が目の前に現れます。牢獄から出て、中央の中庭に向けて通路を進んでください。
展望台
(8) 中庭の石畳を長さ方向に通り抜けると展望台に出ます.城砦の先端部にある展望台からは筆舌に尽くしがたいディナンの町並みが眺望できます。ミューズ川の水面から100メートル上にあるこの展望台は監視の目を光らせる場所として戦略的にとても重要な位置を占めていました。
左手に見えるのが有名なバイヤールの岩(高さ33メートル)です。フランス国境はこの先12キロのところにあります。右手、対岸には、ブーヴィーニュの古い町並みやクレーヴクール城の城趾などが見えます。
1820年代の生活
展望台から中央の石畳に戻り.左手の壁沿いを進んでください。1820年代に、この城砦の下で繰り広げられていた日々の暮らしを再現したコーナーがあります。
(9) 1820年代の鍛冶屋
(10) 1820年代の台所
(11) 1820年代のパン屋
初代ディナン橋の杭
(12) 順路を進んでください。展示してある古い木材は、1080年に建設された最初のディナン橋の杭です。1952年に現在の橋が建設された時に、ミューズ川から引揚げられたものです。
ジオラマ(立体模型)コーナー
(13) 続いて、ディナン史上の大事件を物語る立体模型をご覧ください。銅細工職人への貴金属細工許可状の賦与(1255年)、豪胆公シャルルによる略奪(1466年)、司教大公バイエルン公エルネストの来訪(1582年)です。
マントノン夫人の馬車
(14) 展示してある馬車は1692年のマントノン夫人のディナン滞在時に実際に使われた馬車です。
武器庫
(15) ここには、サーベルや銃剣、ラッパ銃、中世から第2次大戦時まで、時代とともに変遷した各種の小銃などが展示してあります。
第一次大戦当時の亜壕およぴ崩壊したシェルター
(16) 最後に、第1次大戦中に、イゼール川沿岸で繰り広げられたいくつもの戦闘の現場となった塹壕の中にお入りください。塹壕は、爆撃で崩れ落ちたシェルターに通じています。足元に注意して進んでください。平衡感覚がおかしくなる不思議な世界に大人でもぴっくりしてしまいます。
見学はほとんど終わりました。中央中庭の石畳に戻るには、前方の階段を上ってください。ご来館ありがとうございました。
裏面の地図には、レストラン、カフェテリア、屋外遊具公園、各種記念品を販売する売店なども明示してあります。これらの施設にもお立ち寄りください。
またのご来館をお待ちしております。
食事処
・カフェテリア『レ・カノン』Les Canons
城山の頂上近く、ミューズ渓谷を眼下に見下ろす位置にある軽食堂で、遊具を配した児童公園や壮大なパノラマが楽しめるテラスがあります。お弁当持参の方も、お飲み物だけは、カフェテリアでお買い求めください。
・レストラン『ラ・シタデル』La Citadelle
足元のロープウェイ乗り場の横、ディナンの都心グランプラスに面する心和む雰囲気のレストランでは、質にこだわる各種料理をご賞味ください。
城砦からディナン市の都心へ
・408段の石段を下りる。
・ロープウェイで下りる。コレジアル(参事会管理教会)横のロープウェイ乗り場まで2分。
開館
4月〜10月;毎日
11月〜3月:毎金曜休館
1月:週末および学校休暇中のみ開館
シーズン中:10時〜18時
シーズンオフ=10時〜17時
問い合わせ/予約
La Citadelle de Dinant S.A.
Place Reine Astrid, 3-5
B-5500 Dinant
電話+32(0)82 22 36 70
ファクス+32(0)82 22 65 04
プリユツセル・ルクセンブルク間高速E411
20番出口から9キロ
